強度計算・実践への一歩
2011-12-21 Mori design office
求積法の結果比較
有限要素法による応力解析において、2重積分の部分に適応させるガウス・ルジャンドル求積法に関し、4点の求積法の場合と
9点の求積法の場合 との計算結果を比較する。 なお、有限要素法の各要素は、4角形(節点数4個)とする。
典型的な梁の例、両端固定梁に中央に集中荷重の作用の場合、発生する応力σx,σy,τを算出し、下記の如くのグラフが得られた。
応力を縦軸、位置xを横軸として、位置yが同じ(ここではy=0の位置にある)節点の値をプロットした、節点応力値のグラフとなっている。
なお、
(A) 4点求積では、算出の応力値4個をそのまま節点に割当てる、 又は(B) 近辺の応力値の大小分布関係にて節点に割当てる。
(C) 9点求積では、算出の応力値9個を単純補間にて応力値4個にした後、これを(B)と同様に分布配設処理にて、節点に割当てる。
* 荷重点はその方向により、σx,σyの割当修正する。 せん断応力τの分布配設処理は、同要素の節点応力σx,σyの増減を用いる。
[結論] 本例での理論値はσ
x
=-P(L-4x)/8Zであり、9点求積は要素数20個でグラフが直線となり、要素数増に対する応力値
の収束が良い。従って、本例応力算出は
9点求積による計算方法が優れた結果
となっている。
両端固定はり (要素数20)
両端固定はり (要素数320)
[節点図]
紫:拘束
赤:荷重
(A)
4点求積
(B)
4点求積
応力配置
処理
(C)
9点求積
応力配置
処理
なお、上記の節点図及び応力グラフは、当方のJavaScriptによるソフトの画面抜粋
(rev.2012-1-22)
です。→
FEM・計算画面(9点求積法)
[数値・誤差・時間]
要素数20:最大σx、 誤差、 計算時間
要素数320:最大σx、 誤差、 計算時間
4点求積
±22.1ton/m
2
誤差41% 0.5秒(0.05秒)
*1
(±22.0ton/m
2
)
*2
±35.3ton/m
2
誤差5.9% 7.8秒(2.9秒)
*1
9点求積
±24.7ton/m
2
誤差34% 0.7秒(0.06秒)
*1
±36.5ton/m
2
誤差2.7% 15秒(1.8秒)
*1
なお、本例の部材及び理論値:10mLx2mHx1mW、Z=WH
2
/6=(2/3)m
3
、荷重P=-20ton {σx}max=PL/(8Z)=-20・10/(8・2/3)=-37.5ton/m
2
・計算時間 =ブラウザIEで再計算時間。なお、「このページのスクリプトが、Internet Explorer の実行速度を遅くしています」を
回避の為、レジストリエディタ(Regedt32.exe)に てMaxScriptStatements のREG_DWORD値に ffffffffを入力設定。
・計算時間での印( )
*1
=Google Chromeでの再計算時間。 ・最大σxでの印( )
*2
=応力配置処理なしでの値。